歌集 一すぢの道

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本歌集は『老兵始末記』と表裏一体の歌集で、昭和十九年十一月十五日の万里出征より、昭和二十一年五月四日、南風崎上陸までの作品約五百首が収められてゐる。本歌集の原形『戦陣抄』(北支軍糧城に於て昭和二十年十月謄写印刷を以て刊行)の著者跋文に「今は論ずべき秋に非ずしてただ仰天祈り歌はむ秋なるべし。滔々千万言も遂に一首の悲歌にまさること無し。蓋し敷島の道万世に光流する所以なり」とある。本歌集の生れいでた時代的背景は、ここに言ひ尽されてゐる。本書は昭和二十五年七月、初版を刊行したが、再版に当り、初版当時の検閲事情のため掲載できなかつた歌数首を加へ、且つ著者生前の推敲により、数首の語句を改めた。

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